ヌスビトハギ、トゲトゲ、タングステン

植物、昆虫と高融点金属との間の類似点とは?落語の三題噺?
昔、ベルリンのマックス・プランク研究所で開催された触媒失活に関する国際シンポジウムに参加した。
招待講演の一つに酸化反応に用いる白金触媒失活に関する解説があった。
そこで、日本では専門家もあまり使わないHuettig Temperature(ヒュッティッヒ温度)なる言葉がまず印象に残った。欠陥部分の原子が動きやすくなる温度のことである。従って、表面原子の割合が多い微粒子では重要になってくる。金属の融点Tmに対して、結晶格子中の原子が動きやすくなる温度をタンマン温度といい、ケルビン単位でTmの1/2程度である。ヒュッティッヒ温度はTmの1/3程度である。
ニッケルや銅と異なり、白金の場合、その酸化物や化合物に比べて、金属の方が融点、タンマン温度、ヒュッティッヒ温度が高いことが、それまで頭の中で何となく思い込んでいた、酸化物の方が金属より融点が高いというイメージと違ったので、帰国後、周期表を見ながら整理してみると、一群の元素は金属状態の方が融点が低いことが分かった。周期表において、タングステンなど白金と同列にある遷移元素は軒並み融点が高い。はて、その理由はというと、次の2点と考えた。1.d電子が満たされていない→相互作用を求めている。2.相対論効果が効いて元素の密度が高くなっている。そのため、異方性の大きなdバンド同士の相互作用により、融点が高い訳で、化合物になるとその効果が低下するためであろうと直感的に考えた。詳細についてはご興味・知見のおありの方はご連絡頂きたい。
で、表題の、ヌスビトハギ(植物)、トゲトゲ(昆虫)を連想した次第。ヌスビトハギがあの突起によって動物にくっつき運ばれることは小学生が理科で習う。トゲトゲはマイナーだが、とても長い名前の変種があるので結構有名らしい。
原子番号の大きな元素において相対論の影響が出ていることは以下の書籍・文献に説明ないしは言及があるのでご興味がおありの方はご覧ください。
1.村田好正、「相対論がプラチナを触媒にする
2.村田好正、「白金表面が示す特異性は相対論によってもたらされる」、表面科学、Vol.29(2008)284.
3.村田好正、「表面物理学」朝倉物理学大系
4.FCDIC編集、「図解 燃料電池技術」、日刊工業新聞社


ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 2

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
面白い

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック